静岡川勝知事 辞職決意は自身の発言とリニア開業延期に区切り

職業差別とも捉えられかねない発言をし、2日夜に突然、辞職の意向を表明した静岡県の川勝知事が3日、改めて記者会見し、辞職を決意した理由についてみずからの発言と着工を認めてこなかった「リニア中央新幹線」に開業延期という区切りがついたことを挙げました。

静岡県の川勝知事は1日の新人職員への訓示の中で職業差別とも捉えられかねない発言をし、2日夜の記者会見でことしの6月議会をもって辞職する意向を表明しました。
そして川勝知事は3日午後3時半から静岡県庁で改めて記者会見を行いました。
この中で川勝知事は「私の新規県庁職員としての励ましの言葉の中に人々の心を傷つけるものがあったということを厳しく受け止めております。傷つけたとすれば誠に申し訳なく心からおわびいたします」と述べ、みずからの発言について謝罪しました。
そのうえで、辞職を決意した理由について、みずからの発言に加え、水資源や自然環境に対する影響の懸念などから着工を認めてこなかった「リニア中央新幹線」に開業延期という区切りがついたことを挙げました。
静岡県がリニアの着工を認めない中、JR東海は3月29日に目指してきた2027年の開業を断念する方針を明らかにしています。
これについて川勝知事は「JR東海は事業計画にずっと固執されてきたが、事業計画を根本的に書き直したものが3月29日に出た。これで私の手をもう離れた。この段階でリニアの問題が一区切りというか、立ち止まって考えざるを得ない状況に立ち至り、従来と全く違う次元に来た」と述べました。
そのうえで、「2027年の開業断念は重要な爆弾的なニュースで、これで思いのまま後は任せられる。これが大きな理由だ」と述べました。
JR東海は静岡での工事には10年程度かかるとしていて、仮に今すぐ着工できたとしても開業は2034年以降になる計算ですが、「一日でも早く着手できるよう静岡県や静岡市、流域の市町などの関係者と双方向のコミュニケーションを大切にして真摯に取り組む」とコメントしています。