新型コロナ公費支援終了「患者の金銭事情で治療に差」の声も

新型コロナウイルスの治療薬の公費負担などの支援策が3月31日で終了し、岐阜県内の医師からは「患者の金銭的な事情により受けられる治療に差が出てしまう」と懸念する声が出ています。

新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが、去年5月に「5類」になって以降、国は患者などへの支援を段階的に縮小していて、4月1日からは季節性インフルエンザと同様となります。
治療薬についてはこれまで自己負担額は最大9000円で処方されていましたが、4月からはより高額の自己負担が求められ、例えば治療薬の「ゾコーバ」が5日間処方された場合、医療費の窓口負担が3割の人は、およそ1万5500円を自己負担することになります。
これについて県内の開業医などでつくる「岐阜県保険医協会」の会長で、各務原市でクリニックを経営する永田正和医師は「お金に余裕のある人は治療薬の処方を希望しそうで、ない人は処方をためらう。受けられる医療に差が出て重症化する患者も増えてしまうのではないか」と懸念しています。
永田医師によりますと去年10月に最大9000円の自己負担が求められるようになったあと、若い世代を中心にコロナ治療薬の処方を拒む患者が増えているということで「健康な若い人ではかぜ薬で治る場合もあるが、後遺症で苦しむケースもある。特に高齢者や基礎疾患のある人は早めに受診し、治療薬を使用した適切な治療を受けてほしい。コロナの感染が落ち着くまで公的な支援をしてほしかった」と話していました。