三重 多度大社の「上げ馬神事」 改善勧告に文書で回答

馬が急な坂を駆け上がる三重県の多度大社の「上げ馬神事」について、県教育委員会が去年行った改善の勧告に対し、神社などは、坂の最後で乗り越える壁を撤去するなどとする回答を文書で行いました。

三重県桑名市にある多度大社で毎年5月に行われる「上げ馬神事」は、南北朝時代から続くとされる伝統の神事で、馬に乗って急な坂を駆け上がり、最後の高さ2メートル近くある壁を乗り越えた回数で農作物の作柄などを占います。
県教育委員会は会見で、去年の神事で馬が転倒して骨折し殺処分となったことなどを受け改善を促すために行った勧告への回答が今月25日に神社などから文書であったことを明らかにしました。
それによりますと、坂の最後で乗り越える壁を撤去する対策をとるほか、神事の実施主体として「多度大社御厨総代会」という組織を新たに作り、全般の責任を負うなどとしています。
県はことし5月の神事に担当者を派遣するなど、改善状況について引き続き調査することにしています。
三重県社会教育・文化財保護課の天野長志課長は「動物愛護の重視や神事の安全な管理について改善策を公表しており、真摯(しんし)に対応してもらったのではないか」と話しています。