鳥山明さん死去 地元では悲しみの声 愛知 清須

漫画家の鳥山明さんが亡くなったことを受けて、地元・愛知県清須市では、関係者から悲しみの声が聞かれました。

鳥山明さんは出身地・清須市の依頼を受けて、来年迎える市制20周年記念のロゴマークを書き下ろし、ことし1月にそのデザインがお披露目されたばかりでした。
ロゴマークは、清洲城ゆかりの織田信長を思わせる武将が鳥山さんらしいポップな画風で描かれていて、市では今後の周年事業のポスターなどで活用することにしています。
清須市の永田純夫市長は「なんとかデザインをお願いできないかと打診したところ、快く引き受けていただきました。先生の思いがこもったロゴを大切に使いたいです。世代を超えて、全世界で愛された先生で、地元で活動を続けていたことにも敬意を表します。ご冥福をお祈りします」と話していました。
また、鳥山さんはメディアに登場することが少ないことで知られていましたが、6年前には清須市立図書館が発行する「図書館だより」のインタビューに応じ、話題となりました。
インタビューの中ではおなじみのマスク姿のイラストで登場し、「清須市は『Dr.スランプ』に登場するペンギン村のモデルなのでは?」という質問に、「残念ながらモデルなんて存在しません。あんな変な村、あるわけないですもんね」と答え、「今でも楽しんでくれる子供達がいるというのは本当に幸せです。ありがとう!」とメッセージを語っていました。
清須市立図書館の竹内麻衣さんは「発行したあとの反響によって、先生の偉大さを痛感しました。清須市ゆかりの作家さんとして、これからも作品を管理して、皆さんに長く愛していただけるようにしたいです」と話していました。
【地元のファンから悼む声】
清須市に住む30代の女性は「訃報を聞いてびっくりしました。特にアラレちゃんが大好きで、作品の中に名古屋弁のキャラクターがいるのはなぜだろうと思っていましたが、先生の地元がこちらだと知って、いつかどこかで会えるのではないかと思っていました。子どもにも読ませていきたいです」と話していました。
人生で初めて読んだ漫画が「DRAGON BALL」だったという10代の男性は「ニュースを見たときは衝撃で、悲しいです。ドラゴンボールは読者の『続けてほしい』という声に応えて、長年連載が続いていたと聞いたことがあり、すごい作品だなと思います」と話しました。
【突然の訃報に驚き 名古屋 東山動植物園 】
名古屋市の東山動植物園では、鳥山さんがデザインしたコアラのレリーフが園内に飾られ、長年親しまれていて、訪れた人たちは突然の訃報に驚いていました。
名古屋市の東山動植物園の「コアラ舎」は、40年前の1984年、日本に初めてコアラが来た際に建てられた施設で、愛知県出身の鳥山明さんが外壁のレリーフのデザインを手がけ、かわいらしいコアラの姿が、園を訪れる人たちに長年親しまれてきました。
突然の訃報について、40代の男性は「これからも鳥山ワールドを作り続けると思っていたのでショックです。鳥山さんのキャラクターはみんな優しい描き方をしているので、このコアラのレリーフはそれらの原型に見えてきます。ありがとうございましたのひと言を伝えたいです」と話していました。
また、子どもと訪れていた男性は「ドラゴンボールの漫画を読んで育ったので、残念です。『ドラゴンボールZ』の中で、孫悟空が息子の悟飯に戦いを任せるシーンが印象に残っていて、親が子どもに何かを任せることの大切さが、自分も親になって初めて分かるようになりました。子どもにも漫画やアニメをぜひ見せたいです」と話していました。
8日は偶然にも、園内でコアラ来園40周年の式典が開かれていて、スタッフが着る記念Tシャツには鳥山さんによるレリーフのコアラも描かれていました。
東山動植物園の広報担当、日比野雅人さんは「レリーフは、描いてもらった当時から今まで、この園に欠かせない存在でした。鳥山先生は世界に愛される作品を数多く生んだ方なので、このレリーフもたくさんの人に愛されるよう大切に使っていきたい」と話していました。