リニア中央新幹線の残土置き場 岐阜・御嵩町の審議会が答申

JR東海が岐阜県御嵩町に計画しているリニア中央新幹線の残土置き場について、町の審議会の答申がまとまり、自然由来の有害な重金属が含まれる残土は町有地への搬入を認めず、それ以外の残土の受け入れはやむをえないとする意見と反対の意見を併記して、町長の判断に委ねるとしています。
御嵩町ではリニア中央新幹線のトンネル工事の残土について、町有地とJR東海が所有する土地の2カ所の候補地への持ち込みが計画されています。
ただ、残土には鉛などの自然由来の有害な重金属が含まれる「要対策土」があることや候補地には環境省が選定する重要湿地が含まれることなどから、安全や環境への影響を懸念する声が上がっていました。
このため町の審議会が去年11月から対応についての議論を続け、24日、答申がまとまりました。
それによりますと、運び込まれる予定のおよそ90万立方メートルの残土のうち、22万立方メートルの要対策土については、住民の不安感が払拭できないことなどを理由に町有地の候補地への搬入を認めず、専門の施設などでの処理を求めることが適当だとしています。
また要対策土以外の残土の受け入れは、一定程度、環境の保全が確保されることを前提にやむをえないとする意見と、原則として反対し、町外を含めた代替地などに持ち出して処理する意見を併記し、町長の判断に委ねるとしています。
審議会の会長をつとめる岐阜大学の三井栄教授は、「できれば結論をと思ったが合意形成が難しかった。まとめられたことはよかったと思う」と話しています。
審議会は、2月28日に町長に答申し、町ではそれを元に対応を決めることにしています。