市民討論会 差別発言問題 名古屋市の検証委が中間報告提出

名古屋城天守閣のバリアフリー対策を議論していた市民討論会で一部の参加者から差別発言があった問題を受けて設けられた市の検証委員会は、14日、討論会が行われるまでの経緯や当日の市の対応の問題点などを指摘した中間報告を取りまとめ、河村市長に手渡しました。

名古屋城天守閣の木造復元計画の中のバリアフリー対策をめぐり、去年6月に名古屋市が開いた市民討論会で、一部の参加者から車いすの利用者に対する差別的な発言があったことを受けて、市は検証委員会を設け、当時の市の対応や再発防止策などについて検討してきました。
その中間報告がまとまったことから、14日、検証委員会の委員長を務める田中伸明弁護士が河村市長に報告書を手渡し、河村市長は「ご提言に沿うように努力したい」と述べました。
中間報告では、討論会の全体にわたって人権問題に対する意識が低かったと指摘しました。
そのうえで、討論会という名称にしたことで参加者が議論を「戦わせる」意識になり、対立する意見の相手に強い主張を行う展開を招いたのではないかなどと指摘しています。
検証委員会の田中委員長は記者団に対し、「市民の意見を聞く場を設けるにしても、討論会という名称を付すべきではなかったのではないか。意見の対立を生むテーマであったことは従前から分かっていたので、それに対する対応、事前の準備を行ったうえで開催すべきだった」と述べました。
検証委員会はことし夏ごろに最終報告を取りまとめる予定です。