けが人搬送に協力した会社「複数の避難場所・経路の確保を」

元日に発生した能登半島地震の被災地で民間企業としてけが人や高齢者の搬送に協力した岐阜市の会社がNHKの取材に応じ、大規模災害による道路の寸断などに備えて複数の避難場所や避難経路を確保しておく必要があると訴えました。

岐阜市の「ぎふ民間救急」は、ふだんは岐阜市内を中心に、緊急性の低い患者を病院に搬送したり、高齢者を福祉施設に送迎したりする業務を手がけています。
この会社は1月、同業者でつくる団体が災害派遣医療チーム=DMATの要請を受けたことから、石川県輪島市の老人ホームで被災した80代の女性など高齢者2人の搬送に協力しました。
代表の井深公治さん(49)によりますと、金沢市と輪島市を結ぶ道路は地震の影響で激しく壊れ、想定の倍以上の4時間を要したほか、寸断した道路ではカーナビゲーションも役に立たず、先発隊から情報を得ながら遠回りして目的地まで搬送したということです。
井深さんは「道路の裂け目を見たときは衝撃を受けた。ふだんのスピードで走ると車が壊れるので減速したが、ガタガタの道が多く、患者も負担が大きかったのではないか」と振り返りました。
そして、輪島市の山間部から長時間かけて患者を搬送した経験を踏まえ、「岐阜県で災害が発生すれば山奥や川に囲まれた地域は、橋が使えなくなり、孤立状態になりかねない」と述べ、住民や行政に対し、複数の避難場所や避難経路を確保しておく必要があると訴えていました。