新コロ検査水増しで補助金不正受給 県が5千万円余返還請求

愛知県江南市で、新型コロナウイルスの無料の検査所を運営していた会社が、検査数を水増しするなどして交付された補助金を不正に受け取っていたことがわかり、愛知県は5390万円余りの返還を求めました。

愛知県が補助金の返還を求めたのは、福岡市の会社「Identity」です。
この会社は、去年5月まで江南市で運営していた新型コロナの無料の検査所で、過去に検査を受けた人の氏名などを勝手に使って実際は行っていない検査を実施したように書類を作成し、検査数を水増ししていたということです。
新型コロナの無料検査について、愛知県は、1件あたり最大で1万1500円の補助金を実施する事業者に交付していましたが、全国で不正受給が相次いでいたことから調査を進めたところ、この会社の不正が明らかになったということです。
そのため県は30日、この会社に交付した補助金5390万円余りについて、返還を求める命令を出しました。
こうした不正により愛知県が返還を求めるのは初めてです。
県によりますと、会社側は「下請けに出していて、不正は知らなかった」として返還の意思を示しているということです。
県は返還に応じない場合は刑事告訴するとしていて、ほかの事業者でも不正がないか調査を続けるとしています。