ビッグモーター パワハラ訴訟 和解成立せず

中古車販売会社「ビッグモーター」の岐阜県内の店舗の元店長が、上司からパワハラを受けてうつ病になったなどとして、会社側に賠償を求めた裁判で、裁判所の和解案を双方が受け入れず、和解が成立しなかったことがわかりました。

「ビッグモーター」の岐阜県各務原市の店舗で3年前まで店長を務めていた井川翔馬さん(29)は、在職当時、本社の上司から暴言や残業を強要されるパワハラを受けてうつ病を発症したなどとして、会社に対し、未払いの時間外労働賃金と慰謝料あわせて2100万円余りの賠償を求めています。
井川さんは令和4年、交通事故で亡くなり父親が裁判を引き継いでいます。
原告側は、パワハラについて他の店長も参加するLINEのグループ内で「何年店長やってんだよ」「会話すら成立しないなら店長おりろタコが」といった暴言があったと訴えています。
一方、会社側は「LINEはわずか2日間の行為であり、かつ指導の一環で行われ、強い心理的負荷は生じない」と主張しています。
関係者によりますと、岐阜地方裁判所は会社がパワハラを認め、慰謝料としておよそ200万円を支払う和解案を示しましたが、会社側はパワハラを認めず、解決金として250万円を支払う意向を示したということです。
原告側も未払いの時間外労働賃金が含まれていないとして受け入れず、和解は成立しなかったということで、さらに裁判が続く見通しです。