ロヒンギャの男性 逆転で難民認定命じる判決

名古屋に住むミャンマーの少数派のイスラム教徒、ロヒンギャの男性が、国に難民認定を求めた裁判で、名古屋高等裁判所は、「ミャンマーではロヒンギャに対する民族浄化が行われていて、原告は迫害を受けるおそれがある」として1審とは逆に国に難民認定を命じる判決を言い渡しました。

名古屋に住むロヒンギャのキン・マウン・ソーさん(44)は、2007年に来日し、これまで難民認定を求めて4回申請を行ってきましたが、いずれも認められず、不認定処分の取り消しと難民認定を求めて訴えを起こしました。
1審の名古屋地方裁判所は去年、「原告はロヒンギャではあるがそれにより直ちに難民と認められるものではない」として訴えを退けました。
25日の2審判決で、名古屋高等裁判所の長谷川恭弘裁判長は、「原告は軍の方針と真っ向から対立する考えを持っている。ミャンマーではロヒンギャに対する民族浄化が行われていて、迫害を受けるおそれがあり難民に該当する」として国の処分を取り消し難民認定するよう命じました。
また、裁判長は、難民認定について、「難民だと証明する十分な証拠を持って出国することは期待できず、本人の供述を主な資料として検討すべきだ」と指摘しました。
判決のあと、キン・マウン・ソーさんは、「ロヒンギャは国に要らないと言われていて、国内での移動も難しい。この判決はとてもうれしく、感謝している」と話しました。
出入国在留管理庁は、「判決書の内容を精査して適切に対応したい」とコメントしています。