能登半島地震で被災し愛知県内へ避難 男性が心境語る

能登半島地震で被災し、愛知県内に避難している石川県珠洲市の80歳の男性がNHKの取材に応じました。
男性は「地元の人たちが大変な思いで生活していることを思うと夜も寝られずライフラインが復旧したら一刻も早く珠洲市に戻り、協力して片付けをしたい」と今の心境を語りました。

石川県珠洲市宝立町鵜飼地区の自宅で被災し、1月14日から愛知県の宿泊施設に滞在している中嶋復太郎さん(80)がNHKの取材に応じました。
中嶋さんは、妻の和子さん(78)と自宅で餅を食べていたときに地震が起き、家の中は家具などが散乱したということです。
幸い2人にけがはなく、自宅を訪ねてきた消防団員に逃げるように言われ、避難しました。
中嶋さんは「なんとか避難したときは放心状態でした。街は建物が崩れてしまっていて親戚も助けることができませんでした。やりきれないです」と当時を振り返りました。
中嶋さんは、娘の住む名古屋市内で部屋を借りることにしていてそれまでの間、愛知県の宿泊施設に滞在する予定ですが、被災した地元が気がかりだということです。
中嶋さんは「地元では大変な思いで、一生懸命過ごしているのに、自分たちはここで食事をしていていいのかな、などと思ってしまい、夜も寝られない」と今の心境を語りました。
その上で「ライフラインだけは、いち早く整えてもらいたい。早く戻って後片づけなどを協力して進めながら生活したい。そうしないと気が許さない」と涙ながらに話しました。
そして「私の周りで、7人ほど犠牲になってしまったという話を聞いて、やりきれない思いですが、私どもはその人たちの分まで生かさせてもらっているので頑張ろうと思います」と話していました。