約110年ぶりに見つかった「分検長篠城之図」 愛知・豊橋 

今の愛知県新城市にあった長篠城を幕末に描いた絵図がおよそ110年ぶりに見つかり、豊橋市の図書館で展示されています。
「分検長篠城之図」は幕末の1864年に今の豊橋市にあった私設の図書館「羽田八幡宮文庫」を創設した神主の羽田野敬雄と息子の茂雄が描き上げた絵図です。
絵図は明治時代に行方がわからなくなりましたが、このほど関東の古書店が所有しているのがわかったため豊橋市が購入し12月20日から豊橋市中央図書館のロビーで展示しています。
絵図は1804年に今の豊川市にいた文化人が現地を測量調査して作成した絵図をもとに羽田野親子が描き上げたもので、戦国時代に織田・徳川の連合軍が武田軍を破った「長篠の戦い」について武田軍がどう動いていたのかや両軍の死者数などについて2人が絵図の余白に研究結果を書き込んでいるのが確認できます。
江戸時代の東三河地方で長篠の戦いを郷土史の大きな出来事と捉えて研究していたことがうかがえ、豊橋市図書館の岡村龍男学芸員は「文化的な知識の継承がわかる貴重な資料だ。長く収蔵していく資料なのでしっかりと分析していきたい」と話しています。
絵図の展示は25日を除いて27日まで行われます。