愛知 岡崎の特養で虐待か 市が調査

愛知県岡崎市にある特別養護老人ホームで、職員が高齢の入所者に対して、たたくなどの暴行や威圧的な発言をしていた疑いがあることがわかりました。
岡崎市は、虐待にあたる可能性があるとして調査しています。

岡崎市によりますと、市内にある特別養護老人ホーム「アクアむつみ」で、「従業員が入所者に暴力をふるっているようだ」と市に連絡が11月にあったということです。
これを受けて市は、12月13日に、介護保険法と高齢者虐待防止法に基づいて、調査を始めたということです。
これまでに職員へ聞き取りを行ったり、施設内部を撮影した監視カメラの映像を確認したりしたところ、職員が複数の高齢の入所者に対してたたくなどの暴行を繰り返していた疑いがあることがわかったということです。
この職員はすでに退職しているということです。
また、このほかにも別の職員が入所者に対して「早く食べろ」などと威圧的な発言をしていた疑いもあるということで、岡崎市は、これらの行為が虐待にあたる可能性があるとして詳しく調べています。
NHKが入手した、施設内部の映像には、職員とみられる人物が、ベットで横になっている入所者をじっと見つめたあと、顔を平手でたたき、大きな音が鳴る様子が写っていました。
特別養護老人ホーム「アクアむつみ」で働いていた元職員の2人がNHKの取材に応じました。
このうちの1人は、各部屋に設置された監視カメラの映像で入所者の様子を確認した際、職員の1人が夜中に入所者に対して暴力をふるう様子を確認したということです。
この元職員は、「入所者が排せつの際に汚れて服を着替える際、職員が入所者のおなかを強く拳でたたいて、手も思いっきり引っ張っていた。入所者が『痛い』と言っているのに乱暴にやっていた」と話しました。
また、もう1人の元職員は、監視カメラで撮影された映像を記録した職場の共有のタブレット端末から暴行の様子を確認したため、上司に伝えたところ、「外に出たら大変なことになるから言わないで」と言われたということです。
その後、映像が見られなくなっていたということです。
この元職員は、「入所者には眉間や顔などに不自然なあざがある人もいて、みんな暴行について知っていたと思う。映像が削除されたので、上司になぜ削除されているのか、隠蔽だと問いただすと、『外に漏れたらやばいから消さないと』というようなことを言っていてありえないと感じた」と話していました。
施設を運営する会社は、NHKの取材に対して、「市の調査が行われているので、コメントできる段階にない」としています。