愛知県職員の自殺“不適切経理指示が原因”遺族が賠償求め提訴

平成27年、愛知県の27歳の男性職員が自殺したのは当時の上司の指示で不適切な経理処理を行ったことが原因で、県の、上司に対する指導・管理が不十分だったなどとして、男性の遺族が県に対し、9700万円あまりの賠償を求める訴えを起こしました。

愛知県の職員だった※ヨシ田建さん(当時27)は、消防学校の水道管の修繕費用をめぐり不適切な経理処理をしたとして、8年前の6月に県の事情聴取を受け、その翌日に遺書を残して自殺しました。
この問題の発覚後、ヨシ田さんの当時の上司だった副校長は、不適切な経理の指示をしたとして停職の懲戒処分を受けています。
ヨシ田さんの両親は18日、ヨシ田さんが自殺したのは不適切な経理を指示されて強い心理的負荷を感じたことが原因で、県の、当時の副校長に対する指導・管理が不十分だったなどとして、県に対し、9700万円あまりの賠償を求める訴えを名古屋地方裁判所に起こしました。
この問題をめぐっては、遺族が公務災害と認めるよう申請しましたが認められず、この決定の取り消しを求めた裁判も、1審・2審ともに訴えを退けられ判決は確定しています。
ヨシ田さんの父親の桂一さんは、「この不正経理がどういう原因で起きたのか、県に向き合ってほしい。正義感のある、みんなのためを考える子だった。その死を無駄にしないようにやっていきたい」と話していました。
愛知県は、「訴訟の内容が不明であり、コメントは差し控えたい」としています。

※「ヨシ」は「土」に「口」