“上司からパワハラ” 看護師が損害賠償求め提訴 名古屋

名古屋市にある病院で看護師として勤務していた女性が、上司から定時で帰宅したことを同僚の前で長時間、怒鳴られるなどのパワハラを受けたと主張して、1日、病院の運営法人などに500万円余りの損害賠償を求める訴えを起こしました。

名古屋地方裁判所に訴えを起こしたのは、名古屋市にある名城病院で18年前から看護師として勤務していた愛知県内の女性です。
訴状などによりますと、女性は3年前の12月ごろからおよそ1年間にわたり、上司の看護師長から、時間外の業務を指示されていないのに定時で帰宅したことを同僚の前で長時間、大声で怒鳴られたり、コロナ病棟で勤務するかほかの病棟への異動を希望するかについて、自分だけ意思を確認されなかったりするなどのパワハラを受けたと主張して、病院の運営法人と看護師長に500万円余りの損害賠償を求めています。
女性はおととし、抑うつ状態と診断されて休職することになり、病院側に調査などを求めましたが、病院側は「厚労省が定めるパワハラの定義の要素を全て満たすまでには至っていない」などと回答したということです。
また、女性はこと7月に主治医の診断を受けて復職を希望しましたが、病院側が認めず、現在は退職扱いとなっているということで、退職は無効だとする訴えも起こしています。
提訴のあと、女性は名古屋市内で記者会見を開き、「私は28年間看護師として誇りをもって働いてきたのに、ハラスメントによりキャリアを奪われ、憤りがとまりません。安全で安心な職場環境が看護師に提供されることを願い、提訴を決意しました」と話しました。
一方、名城病院は「訴状が届いていないため、コメントは差し控えたい」としています。