スーパーカミオカンデの後継施設公開 4年後の観測開始目指す

宇宙などから降り注ぐ極めて小さな素粒子、「ニュートリノ」の観測が進められている岐阜県飛騨市にある「スーパーカミオカンデ」の後継となる研究施設が初めて報道関係者に公開されました。

飛騨市神岡町の東京大学宇宙線研究所が運用する観測施設「カミオカンデ」と後続施設の「スーパーカミオカンデ」は宇宙などから降り注ぐ極めて小さな素粒子、「ニュートリノ」の観測に成功するなどして、日本人の2度のノーベル物理学賞受賞につながりました。
飛騨市では「スーパーカミオカンデ」のおよそ8倍の「ニュートリノ」が観測できる「ハイパーカミオカンデ」の建設が地下600メートルの場所で2020年から進められ29日は、巨大な水槽を備えるために掘り進められている場所が報道関係者向けに初めて公開されました。
公開された場所は高さ21メートル、直径が69メートルあるドームと呼ばれる天井部分で、今後さらに掘り進め、計画では「ニュートリノ」を観測する高性能の検出器、4万本が取り付けられるということです。
施設は4年後の2027年の観測開始を目指していて、「ニュートリノ」のさらなる研究で宇宙に星や物質が誕生した成り立ちなどの解明につながる成果が期待されています。
東京大学宇宙線研究所附属神岡宇宙素粒子研究施設長の塩澤眞人教授は、「カミオカンデ、スーパーカミオカンデで成果を上げたが、解決できていない問題が残っている。ハイパーカミオカンデでの研究で答えを見つけたい」と話していました。