相次ぐクマの被害 岐阜県が緊急点検実施へ

クマによる被害が相次いだことを受けて岐阜県は27日、対策会議を開き、来週前半からクマの目撃が多い地域で緊急点検を行うことなどを確認しました。
岐阜県庁で開かれた対策会議には県の関係部局や専門家などが出席し、まず、クマの生態に詳しい岐阜大学の淺野玄准教授が「ことしのようにドングリが凶作傾向だとクマが冬眠前に脂肪を蓄積しようと人里に出てきやすくなる」と説明しました。
そのうえで、淺野准教授は住民に注意喚起を行って「いつもならここにはクマは出ない」とか、「自分は大丈夫」といった思い込みをなくすことが重要だと指摘しました。
岐阜県内では今週、高山市と飛騨市で人がクマに襲われるケースが相次いだほか、今年度の被害者は6人と、昨年度に比べて急増していて、県は「クマ出没警戒情報」を出しています。
こうした状況を踏まえ、会議では、来週前半からクマの目撃が多い地域でクマを引き寄せる果物やごみが残っていないかや、クマの潜みそうなやぶがないかなどについて、専門家とともに緊急点検を行うことなどを確認しました。
淺野准教授は「ふだんはクマが出てこない場所でもいっそう注意して遭遇のリスクを下げてほしい」と話していました。