虐待認定の施設に三重県が行政指導

三重県の外郭団体が運営する津市の障害者施設で、職員2人の入所者に対する行動が身体的虐待などと認定された問題で、県がこの外郭団体に対して、再発防止に向けた改善計画の提出を求める行政指導を行っていたことが関係者への取材でわかりました。

県の外郭団体、「三重県厚生事業団」が運営する津市の障害者施設、「三重県いなば園」では、ことし8月、2人の男性職員が1人の入所者を殴ったり蹴ったりするなどの暴行をした疑いが発覚し、その後、2人の行動は身体的虐待や不適切な行為にあたると認定されました。
この施設では令和3年にも、心理的虐待があったと認定されたばかりで、今回の問題は再発防止に向けて取り組んでいたさなかに起きました。
県はこれを重く見て施設を運営する外郭団体に対し、10月12日付けで虐待の再発防止に向けた改善計画を改めて提出するよう求める行政指導を行っていたことが関係者への取材でわかりました。
県は▼これまでの取り組みで不十分だった点を分析し、具体的な改善に結びつけることや、▼トラブルが起きた際など、緊急時には複数の職員で対応するといった支援体制の強化など、4つの項目を改善計画に盛り込むよう求めているということです。
三重県厚生事業団は、「入所者や職員の声に耳を傾け、1日も早く信頼を回復できるよう、虐待防止に取り組んでいきます」とコメントしています。