三重・四日市など特産「萬古焼」鉱石確保を知事に要望

三重県四日市市などの特産の焼き物「萬古焼」の製造業者でつくる組合が、土鍋などの陶器の原材料となり、リチウムが含まれる鉱石の確保が難しくなっているなどとして、三重県の一見知事に支援を求める要望書を提出しました。

一見知事に要望書を提出したのは、「萬古陶磁器工業協同組合」の熊本哲弥理事長です。
萬古焼の土鍋などを作る際、耐熱性をよくするためリチウムが含まれる「ペタライト」という鉱石を使用します。
リチウムは電気自動車のバッテリーの材料などになるため、国際的に需要が高まっていて、要望書によると、この鉱石の唯一の輸入先となっているジンバブエの山を中国の企業が買収したため、確保が難しくなっているということです。
また、陶磁器を焼く燃料のLPガスも、価格高騰が進んでいて、業者の経営を圧迫しているということです。
このため組合では、ペタライトに代わる代替鉱物の研究・調査を進めることや、経済的な支援の枠組みを創設してほしいと要望しています。
要望を受け一見知事は、「国内の土鍋の生産の8割を萬古焼が占め、なくなると日本にとっても大変な問題だ。国にもこの要望を持って行きたい」と話していました。
組合の熊本理事長は「鉱山の中国企業による買収で5年前に比べてペタライトの価格が10倍くらいになっている。県からの支援を期待しています」と話していました。