秋の高山祭開幕 雨で中止の行事も

豪華な祭屋台で知られる岐阜県高山市の「秋の高山祭」が9日、開幕しました。
4年ぶりに予定されていた屋台の曳き回しなどは雨で中止されましたが、観光客は蔵に収められた屋台で演じられたお囃子を楽しむなどしています。

「秋の高山祭」は春とともに、屋台行事が「山・鉾・屋台行事」のひとつとして、ユネスコの無形文化遺産に登録されています。
春秋を通して新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に移行した後初めての高山祭となり、コロナ禍前と同じ例年どおりの開催が予定されていましたが、雨が降り続いていることから豪華な屋台が街中をゆく曳き回しは、4年ぶりに予定されていたにも関わらず中止されたほか、からくりの奉納などの行事も中止されました。
一方、屋台の中には屋台を蔵に収めたまま子どもたちによるお囃子を披露するところもあり、観光客が写真を撮るなどして楽しんでいました。
このうち「大八台」でお囃子を披露した14歳の男の子は、「緊張したけどお客さんが手を振ったり写真を撮ったりするのを見てやりがいを感じて楽しい」と話していました。
ドイツから訪れた女性は「屋台は美しく装飾され、子どもたちの演奏も上出来でした。雨で一部中止になったのは悲しいですが楽しめました」と話していました。

ことしの秋の高山祭は新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に移行した後初めての高山祭で、多くの人出が見込まれています。
このうち高山市内のホテルでは開幕前日の8日、ロビーに大きな荷物を抱えた宿泊客が次々訪れ、チェックインの手続きなどを行っていました。
ホテルによりますと宿泊客の半分以上は海外からの観光客で内訳は欧米が多く、客室はほぼ満室だということです。
ホテルアソシア高山リゾートの杉本篤史総支配人は「今回は制限のない中の開催で多くの外国人観光客も来ていて国際観光都市としての高山にお迎えできる喜びを感じています。高山ならではの行事や自然を楽しんでほしい」と話していました。