名古屋で「日本伝統工芸展」

陶芸や染め織物など、日本の伝統工芸の優れた作品を集めた「日本伝統工芸展」が、5日、名古屋市で始まりました。
ことしで70回目となる「日本伝統工芸展」は、伝統工芸の継承や、次世代の作家の育成を目指し、日本工芸会やNHKなどが開いています。
全国を回る巡回展として、5日から千種区の古川美術館で受賞作や東海地方の作家の入選作の展示が始まりました。
会場には、陶芸や染め織物など、7つの部門からあわせて181点が展示されています。
このうち、最高賞にあたる日本工芸会総裁賞に選ばれた「彫漆箱『遥かに』」は、白や青の漆を塗り重ねるなどして、瀬戸内海の波のきらめきを表現しています。
また、受賞作家の中では最高齢の81歳で、愛知県瀬戸市の柴田明さんの作品、「有線七宝抽象文花器」は、白色と灰色の釉薬を施して穏やかな水の流れを表しています。
柴田さんは「七宝焼きの釉薬の美しさや水面の流れや動きを自分なりの新しい感覚で表そうと取り組みました」と話しています。
この展示会は、10月9日まで千種区の古川美術館で開かれています。