ため池の水抜きコクチバス駆除 岐阜・郡上


岐阜県の長良川でアユなどが食べられるのを防ごうと県は上流の郡上市にあるため池の水を抜いて外来種のコクチバスを駆除しました。
池からは10月3日までにおよそ670匹のコクチバスが見つかったということです。

ブラックバスの1種で外来種のコクチバスは、2023年5月以降、岐阜県内の長良川や木曽川で確認されていて、県などはアユなどが食べられるのを防ごうと駆除を進めています。
その一環として長良川の上流にある郡上市白鳥町中西のため池で、ほぼすべての水を抜いてコクチバスを駆除することになり、10月3日は県や漁協関係者などおよそ60人が集まりました。
9月中旬から水が抜かれ13メートルほどあった水深がけさの時点では1メートルほどまで下がっていて、集まった人たちは残った水の中に網を入れ、コクチバスなどの外来種のほか、アブラハヤやドジョウなどの在来種の魚を捕獲していきました。
その後、ポンプを使って池の水を抜いたあと消石灰をまいて、残った魚をすべて駆除しました。
捕獲した在来種の魚は近くの川に逃がす一方、コクチバスはきょうまでにおよそ670匹を駆除したということです。
また、池からは本来、生息していないはずのワカサギも見つかり、県はコクチバスのえさとして密放流された可能性があると見ています。
県は長良川流域にある170余りのため池でほかにもコクチバスの生息が確認された場合は、水を抜いたり、長良川の本流では、水中に電気を流し、魚をしびれさせてから駆除する「電気ショッカー船」を使ったりして、駆除する方針です。
県水産振興室の桑田知宣室長は「殺される魚に罪があるわけではなくすべては密放流という行為が元凶だと考えている。この事態を広く知ってもらい、密放流をやめてもらうよう取り組んでいきたい」と話していました。