学校の実習中事故死 危険洗い出しを要請 愛知県教育委員会

去年、愛知県内の工科高校で、実習の授業中に生徒が工具の「のみ」を誤って自分の体に刺し、その後、死亡した事故を受け、愛知県は、すべての県立学校に、実習や実験の際に考えられる危険を洗い出し、授業の手順をまとめた文書に記載するよう求めました。

この事故は、去年5月、県立の工科高校で、実習の授業中に男子生徒が工具の「のみ」の刃先を誤って自分の腹部に刺し、その後、死亡したもので、愛知県教育委員会は、222日、第三者委員会の調査報告書を公表しました。
この中では、事故の原因について、目撃者がいないため判然としないものの、生徒が、のみの持ち手の先端にある部品を取り外す作業をしている際に、反動で刃が体に刺さった可能性が高いと結論づけました。
その上で、のみを使った授業は、ほかの実習と比べ、授業時間が少なかったため、刃先が体に向かわないようにするなど、危険性を徹底的に周知する必要があったなどとしています。
これを受けて、愛知県教育委員会は、県立のすべての学校に対し、学校ごとに実習や実験の授業の手順をまとめた「指導書」に、予見される危険を洗い出して記載するよう周知しました。
愛知県教育委員会は、記者会見で「学校でお預かりした大切な命を守れなかったことを改めておわび申し上げます。指導を徹底して、安全管理に努めたい」と話しています。