関東大震災当日に開業した旧帝国ホテルの資料を明治村で紹介

関東大震災が発生した100年前のその日に開業した東京の旧帝国ホテル本館に関連する資料の展示会が1日から愛知県犬山市で始まりました。

犬山市にある博物館明治村で1日から始まった展示会では、20世紀を代表するアメリカ人の建築家、フランク・ロイド・ライトが設計した東京の旧帝国ホテル本館に関連する60点あまりの資料が紹介されています。
ライト館とも呼ばれた旧帝国ホテル本館は関東大震災が発生した1923年9月1日に開業しましたが、鉄筋コンクリートなどで造られていて比較的軽微な被害で済んだため被災した会社に宴会場の入り口の前にあったスペースを提供するなどの支援活動を行いました。
展示会場では当時撮影された白黒写真を元に宴会場の入り口付近がカラー化して再現され、1967年に解体されるまで実際に使われていたイスが置かれています。
このほか愛知県の常滑で当時特別に生産され、外壁や内装に使われた模様が特徴的なレンガを紹介するコーナーなどがあります。
また博物館明治村には旧帝国ホテルの中央玄関部分が移設され、当時のたたずまいを間近に見ることができます。
中野裕子主任学芸員は「大震災の被災者を支援したことは多くの人に知られていないと思います。震災から100年の契機に一流ホテルだけではない部分も知ってほしい」と話しています。
この展示会はことし12月17日まで行われます。