ガソリン小売価格 東海3県でも過去最高値に迫る水準

レギュラーガソリンの小売価格は、28日時点での全国平均で過去、最高値を更新しましたが、東海3県でも過去最高値に迫る水準となり、岐阜県では185.7円となりました。

国の委託を受けてガソリン価格を調査している石油情報センターによりますと、28日時点のレギュラーガソリンの平均小売価格は、岐阜県で先週から1.4円上がって1リットルあたり185.7円、三重県で1.8円上がって184.1円、愛知県で2.1円上がって183.3円となりました。
東海3県が2週連続で180円台となるのは2008年8月以来15年ぶりで、都道府県ごとに価格を公表している2004年以降でいずれも最高値の水準に迫っています。
これは、燃料価格の上昇を抑えるために国が石油元売り会社に支給している補助金が段階的に縮小していることや、主要な産油国であるサウジアラビアによる原油の自主的な追加減産で原油価格が上昇傾向にあること、それに、円安で原油の輸入価格が上昇していることが要因だということです。
今後の見通しについて、石油情報センターは「今の値上がりは、円安と国からの補助金の縮小の影響が大きい。補助金が今のままだった場合、値上がりが予想される」としています。
【ドライバーは】
名古屋市中区のガソリンスタンドでは、給油に訪れたドライバーから値上がりが続く状況を心配する声が聞かれました。
夫婦で訪れた70代の女性は「車は買い物に行くときなど毎日使いますが、年金生活なのでガソリンの値上がりは家計を圧迫しています。なんとか政府のほうで補助を出していただいて、少しでも安くしてもらえるとありがたいです」と話していました。
80代の男性は「仕事でも毎日車を使って移動しているので、ガソリン代が高くて非常に困っています。ただ、時代の流れもあるので値上がりについてはしかたがないとは思います」と話していました。
【福祉の現場にも大きな負担】
ガソリン価格の高騰は福祉の現場にも大きな負担となっています。
愛知県豊田市にある「特別養護老人ホームひまわりの街」では、およそ60人のお年寄りがデイサービスを利用しています。
施設では、お年寄りの送迎用の8台を含め、あわせて18台の車を使っていて、去年の同じ時期より2割ほど燃料費の負担が増しているということです。
施設によりますと、県から車1台につき年1回、送迎の目的には1万5000円、職員が移動する目的には9000円の補助が出ているということですが、今の補助では厳しい状態だということです。
特別養護老人ホームひまわりの街の傍嶋博志施設長は「1週間単位でガソリン価格が上がっているが、決まったお金で運営していかないといけないので苦しい。エコ運転などできることはしているが、価格の上昇に追いついていない。価格がどう変わるかにらめっこして待つしかないが、利用者に迷惑をかけないようやっていきたい」と話しています。