「防虫効果ある成分を閉じ込める」岐阜大発ベンチャー製品化へ

繊維などの素材にごく小さな穴をあけ、防虫効果のある成分などをそこに閉じ込める研究のビジネス化を目指す岐阜大学発のベンチャー企業が4000万円の資金調達を行い、製品化に向けた取り組みを進めていくことになりました。

資金調達するのは、岐阜大学発のベンチャー企業「ファイバークレーズ」です。
この企業では繊維やフィルムに、ナノメートル=100万分の1ミリ単位のごく小さな穴をあけ、防虫効果のある成分などをそこに閉じ込める研究のビジネス化を目指しています。
実験では、防虫効果のある成分を閉じ込めた素材は、未処理の素材に比べ蚊に刺される率が大幅に軽減されたということで、このほど、県内外の企業4社から総額4000万円の資金調達を初めて行ったということです。
企業はこの研究を衣料品や蚊帳の製品化などに応用できるとして、調達した資金を設備投資などに使っていくことにしています。

ことし春まで岐阜大学大学院で研究を続けていたファイバークレーズの長曽我部竣也社長は、「先端技術のポテンシャルを引き出し、学術的な研究と産業の橋渡しになりたい。蚊による感染症などの死者は世界で年間62万人以上にものぼっており、こうした社会的な課題の解決につながるような新たな素材を開発していきたい」と話していました。