若者の早期退職をAIが分析 名大大学院などが研究

若者の早期退職が企業の悩みとなる中、名古屋大学の研究室などが企業の採用試験で行う適性検査の回答データをAIを使って分析することで入社3年未満で退職する若者を採用前の段階で予測することに成功したと発表しました。

名古屋大学大学院の鈴木智之准教授の研究室は民間企業「レイル」との共同研究で企業などの採用試験で行う適性検査のおよそ400人分の回答データを独自の手法で分析して、早期退職する若者を採用前の段階で予測しました。
適性検査の回答をもとに「職場への不満を持ちやすい」とか「感謝の気持ちが持ちにくい」といった心理的な特性を数値化してAIに解析させた結果、全体のおよそ1割にあたる40人ほどが早期退職すると予測し、実際にその全員が3年未満に退職したということです。
また、およそ10万人分の回答から早期退職者の特徴を分析したところ、「上司をけなす」「同僚の好意を素直に受け入れない」「新しいメンバーに冷たい」といった特性が強い人ほど、職場ともめるなどして退職を繰り返す傾向があることもわかったということです。
今後、早期退職につながりやすい人材が活躍できる条件などについても分析し、企業での活用を目指したいとしています。
名古屋大学大学院の鈴木准教授は「早く辞める人をただ予測するのではなく、企業と個人のマッチングをはかり、一人ひとりが前向きに輝ける社会を作ることに貢献したい」と話しています。