名古屋市立大が発達障害支援へ研究センター開設

名古屋市立大学が発達障害の人への支援を充実させようと、研究と診療を連動して行う専門の機関「こころの発達診療研究センター」を1日開設します。
31日に名古屋市立大学病院で記念の式典が行われ、大学の郡健二郎理事長が「発達障害への社会の関心はまだ低く、医療の分野では大幅に遅れがある。発達障害で悩む子どもや家族を助けられる拠点にしていきたい」とあいさつしました。
「こころの発達診療研究センター」は発達障害の診療に特化した臨床拠点で、発達障害に詳しい小児科医や精神科医、それに公認心理師などが診療や相談にあたります。
また診療にあたった事例などの研究を通して、発達障害の人を支援する医師や教職員を対象にした研修・支援プログラムの作成や対応が困難なケースへの助言なども行うということです。
名古屋市の調査では、平成24年に市内で生まれた1万9000人余りのうち、約1割が就学前に発達障害の診察などを行う地域療育センターの受診経験があるということで、医師の山田敦朗センター長は「発達障害の実情は病院だけではわからないことも多い。地域の学校や医療の現場と連携しながら、不安がある時にはすぐに相談に応じられる態勢をつくっていきたい」と話していました。