名古屋城の天守閣再建 障害ある議員「対立でなく対話」を訴え

名古屋城天守閣のバリアフリー対策をめぐり、障害がある議員などでつくる団体が名古屋市内で記者会見を開き、木造での忠実な復元かバリアフリー対策の充実かで意見の対立が深まっているとして対話にって幅広く合意を得るよう求めました。

名古屋市が木造での復元を目指している名古屋城の天守閣をめぐっては市がバリアフリー対策として地上5階まである天守閣内部の少なくとも1階まで小型の昇降機を設置する案を示している一方、より上層階まで導入するよう求める声もあり、意見が分かれています。
こうした中、障害がある国会議員や地方議員らが25日、名古屋市内で記者会見を開きました。
この中で、福岡県大牟田市議会の古庄和秀議員は「天守閣についての議論が木造復元かバリアフリーかの対立構造になっているように感じるが、対話によるまちづくりが必要だ」と述べ、幅広く合意を得るよう求めました。
その上で、障害の有無にかかわらず、誰もが利用できる施設にしなければ、差別の禁止や合理的な配慮を求める障害者差別解消法に抵触するおそれがあると訴えました。
一方、天守閣の復元をめぐっては市が主催した市民討論会で障害者に対する差別的な発言があった問題を受け、市が外部チームによる検証を優先させることにしていてバリアフリー対策に関する検討が再開されるメドは立っていません。