PFASめぐる血液検査の結果公表 愛知・豊山町など住民対象

有害性が指摘されている化学物質を含む「PFAS」をめぐり、専門家と市民団体は、愛知県豊山町と北名古屋市の住民を対象にした血液検査で、平均で、国の調査のおよそ2.4倍の血中濃度の値が出たとする結果を公表しました。

「PFAS」は人工的につくられた有機フッ素化合物の総称で、4700種類以上が存在するとされ、このうち2つの物質はアメリカの研究などで有害性が指摘されています。
愛知県内では、おととし3月、豊山配水場で、国が定めた暫定目標値を大幅に超える値が検出されたことを受け、京都大学大学院の原田浩二准教授と市民団体は水の供給を受けていた豊山町や北名古屋市の住民54人を対象に血液検査を行い、その結果を公表しました。
それによりますと、有害性が指摘されている、PFOSとPFOAを含む4つの物質の平均値は21.2ナノグラムで、これは国がおととし国内の3か所で行った調査のおよそ2.4倍にあたるということです。
平均値を地区別で見ますと豊山町豊場地区で23.9ナノグラムと最も高く次いで、北名古屋市で19.5ナノグラム、豊山町青山地区で13.4ナノグラムとなっています。
原田准教授は記者会見で「配水区域の住民の血中PFAS濃度は比較的高い状況にあると考えられ、配水が停止されて2年が経過しているが、影響は持続していることがうかがえる」などと述べた上で汚染源の特定とともに継続的なモニタリング調査が必要だと指摘しました。