障害者に対する差別的発言 名古屋市が再発防止策検討方針

名古屋城天守閣のバリアフリー対策をめぐる市民討論会で、一部の参加者から障害者に対する差別的な発言があった問題を受け、討論会を主催した名古屋市は、14日の市議会で陳謝した上で、人権を尊重する条例の制定も含め再発防止策を検討する方針を明らかにしました。
6月3日の市民討論会では、木造復元が計画されている名古屋城天守閣のバリアフリー対策をめぐる議論の中で、一部の参加者から障害者に対する差別的な発言があり、討論会を主催した名古屋市の対応を問う声が上がっています。
14日開かれた市議会の総務環境委員会で、この問題が議題となり、市側は、「差別的表現を含む不適切な発言を、市側も制止や注意喚起しなかった。発言を受けた方は心を痛め、多くの方に不快な思いを抱かせることになり、おわび申し上げます」などと述べ、陳謝しました。
その上で、市側は、差別などの人権問題が生じた場合の対応マニュアルでは今回のようなケースを想定していなかったとして、再発防止に向け、当時の対応を検証した上で、マニュアルの見直しを検討すると説明しました。
また、議員から「人権を尊重するための条例を、市として定める必要はないのか」と質問されたのに対し、市側は「ほかの自治体の例を調べ、条例の制定も1つの選択肢として検討したい」と述べ、条例の制定も含め、再発防止策を検討する方針を明らかにしました。