名古屋城天守閣木造復元でバリアフリー対策を議論 

名古屋市が木造での復元を目指している名古屋城天守閣のバリアフリー対策を考える市民討論会が開かれ、天守閣内の昇降設備のあり方について激しい議論が行われました。
名古屋市の中区役所で開かれた3日の討論会では市の担当者から名古屋城天守閣を木造で復元する計画について、史実に忠実にするため大人数が乗れるエレベーターは設置しないものの、車いすの利用者などへのバリアフリー対策として、天守閣内部の途中まで車いすの利用者と介助者1人ずつが乗れる小型の昇降設備を導入する方針を説明しました。
この後、参加した市民のうち反対の立場からは「建物としての美しさを求めるべきだ」とか「建物に手を加えず、アシストスーツのような新技術で対応できないか」といった意見が出されました。
一方、導入を求める立場からは最上階までの設置を念頭に「名古屋といえば名古屋城。あらゆる人に見てもらいたい」とか「建物を傷つけない外付けのエレベーターはどうか」といった意見が出されました。
討論会の最後には市民5000人に送付した昇降設備設置のアンケート結果が紹介され、最上階までの昇降設備設置を求める回答が47.2%、設置しないという回答が23.4%でした。
また3日の討論で一部の参加者による障害をやゆする差別的な発言があったため、市は討論会の開催のあり方を今後、検討する考えを示しました。