岐阜大学に感染症などに深く関わる「糖鎖」の研究拠点が完成

細胞の表面にあり認知症や感染症などに深く関わるとされる物質「糖鎖」の研究拠点が岐阜大学に完成しました。

岐阜大学と名古屋大学を運営する東海国立大学機構は「糖鎖生命コア研究所」を設置して「糖鎖」の研究をすでに進めていましたが、このほど18億円余りをかけてその拠点となる7階建ての研究棟を岐阜大学に建設しました。
「糖鎖」は生物の細胞の表面にあるブドウ糖などの糖が鎖状に連なった物質で、老化や認知症などに深く関わるとされていますが未解明の部分が多く残されています。
15日は完成を祝う式典が行われ、門松健治所長が「糖鎖は血液型の見分けやウイルスの感染にも関わるが、ほとんどの国民が名前も知らない。研究を進め、糖鎖の情報をゲノムやたんぱく質のレベルにまで引き上げたい」とあいさつしました。
このあと研究棟の内覧会が開かれ、集まった関係者がたんぱく質と結合した糖鎖を網羅的に解析する研究や、生きた細胞膜の上にある糖鎖の分子を観察する装置などについて説明を受けていました。
今後はこの研究拠点でおよそ40人の専門家や学生が「糖鎖」のデータベースの構築や働く仕組みの解明などの研究を進めることにしています。