大規模漏水の明治用水頭首工 本格的復旧に向け10月から工事
去年、大規模な漏水が起きた愛知県豊田市の取水施設で本格的に復旧するための工事の方法が決まり、再来年度の完了に向けてことし10月から工事が始まる見通しとなりました。
豊田市を流れる矢作川の取水施設「明治用水頭首工」では去年5月、大規模な漏水が発生し、数か月にわたり農業用水などの取水が制限されて影響が広がりました。
漏水は施設の老朽化などにより水が取水設備の下を通り抜ける現象が起きたことが原因とみられ、農林水産省では応急措置としてこの現象により出来たとみられる川底の空洞を埋める工事などを進めています。
この施設の本格的な復旧に向けて14日、河川工学や農業土木の専門家などによる委員会の会合が開かれ、複数の工事方法を検討した結果、一部の水門を支える柱とその土台部分を撤去して新たに造り直す方法を採用することが決まりました。
委員長を務める三重大学の石黒覚名誉教授は「施設の重要性と長期間にわたって使用するという観点から柱の土台部分から造り直す方法に決まった」と話しています。
これを受け農林水産省はことし10月から本格的な復旧の工事に取りかかり、再来年度の完了を目指すとしています。