家康ゆかり大高城跡から大規模な堀の跡を確認 名古屋緑区
桶狭間の戦いに先だって若き日の徳川家康が兵糧を運び込んだことで知られる名古屋市緑区の大高城の跡から深さ4メートル以上の大規模な堀の跡が確認されました。
現在の名古屋市緑区にあった大高城は、織田信長が今川義元を破った桶狭間の戦いに先だって、徳川家康が織田の軍勢が包囲する中、兵糧を運び込んだことで知られ、城跡は現在、国の史跡になっています。
名古屋市教育委員会は、江戸時代前期に描かれた絵図に、城の周囲にめぐらされた堀が示されていたことから、実際に堀があったのかを調べようと、去年から発掘作業を進めてきました。
その結果、本丸跡の南側から深さ4メートル以上の大規模な堀の跡が見つかり、16世紀の鍋や釜など、戦国時代の遺物も出土したということです。
城郭に詳しく、現場を視察した奈良大学の千田嘉博教授は、「堀は、城を守った今川義元の家臣が、信長の攻撃に備えて築いたものと考えられる」とコメントしています。
名古屋市教育委員会文化財保護室の学芸員の纐纈茂さんは、「絵図に描かれた堀はかなり大きいので、本当に掘があったのかという指摘も発掘前にはあったが、実際に跡が確認できたことは大きな成果だ」と話しています。