「スナメリは2種類の音でコミュニケーションか」三重大が発表
イルカの一種「スナメリ」はこれまで音を使ってコミュニケーションをとっているかどうかわかっていませんでしたが、三重大学の研究グループは2種類の音を使ってコミュニケーションをとっている可能性が高いと発表しました。
三重大学の研究グループはスナメリがほかのイルカと同様に音を使ってコミュニケーションをとっているのかどうか、鳥羽市の鳥羽水族館で飼育されている6頭を対象に調べました。
まず、ほかの個体と違う水槽に入れられた1頭がどのような音を出すのか調べたところ、研究グループが「パケット音」と名付けた特徴的な音を出していたということです。
2頭以上でいるときはこの音は少なく、スナメリが互いの居場所を伝えるために出していると考えられるということです。
一方、ほかのイルカの仲間も出す「バーストパルス」と呼ばれる音は、1頭のときはほとんど出さなかったのに対し、オスとメスの双方が2頭以上でいて、繁殖行動を伴う場合に多く出されていたということです。
バーストパルスは繁殖に関わる何らかの機能を持っていると考えられ、研究グループはスナメリは2種類の音を使ってコミュニケーションをとっている可能性が高いとしています。
研究グループの三重大学大学院生物資源学研究科博士後期課程2年の寺田知功さんは「今後は船の騒音や洋上の風力発電の音がスナメリのコミュニケーションにどのように影響するか調べたい」とコメントしています。