米留学中の服部剛丈さん銃撃事件から30年 現地で追悼式典

アメリカに留学していた高校生、服部剛丈さんが銃で撃たれて死亡した事件から30年になるのを前に、事件が起きた南部ルイジアナ州の教会で地元の人たちが服部さんを追悼しました。

1992年10月17日、ルイジアナ州バトンルージュに留学していた名古屋市の高校2年生服部剛丈さん(当時16)は、ハロウィーンのパーティーに行く途中に誤って訪ねた家の男性に銃で撃たれて亡くなりました。
事件から30年になるのを前に16日、バトンルージュの教会で追悼の礼拝が行われ、服部さんが留学中に滞在していた家のホリー・ヘイメーカーさんが事件の経緯を説明しました。
そして「服部さんは友好的で精力的な理想の交換留学生で高校では人気者でした。事件後に服部さんの両親から銃規制を訴えるための署名活動の協力を求められ、ともに戦ってきました」と述べ、服部さんの父親の政一さんと母親の美恵子さんとともに銃規制を訴える活動を行ってきたことなどを説明しました。
また服部さんの両親の写真が映し出されてメッセージが読み上げられ「ルイジアナの人たちのおかげでアメリカを第2の故郷にするという息子の夢がかないました。世界には解決すべき課題がたくさんありますが、希望と勇気とともに一緒に戦いましょう」と銃規制の強化などの必要性を強く訴えかけました。
アメリカでは銃撃事件が相次ぐなか、ことし6月には28年ぶりに銃規制を強化する法律が成立しましたが、けん銃の携帯を制限しているニューヨーク州の州法について、連邦最高裁判所が銃を所持する権利を保障する憲法に違反しているという判断を示すなど、銃規制をめぐって国を二分する議論が続いています。
礼拝に参列した39歳の男性は「この国でまん延している銃の暴力を止めるために行動しなければいけないと感じた」と話していました。