東日本大震災13年3か月 大川小学校で新任教員などが研修

東日本大震災から13年3か月となる11日、大きな被害が出た石巻市の大川小学校では新任の教員などを対象にした研修会が開かれました。

この研修会は、災害時に学校現場で子どもの命を守るため、新任の教員などを対象に県が3年前から行っているもので、このうち石巻市内の会場にはおよそ120人が参加しました。
教員たちはまず、震災の津波で児童74人と教職員10人が犠牲になった大川小学校を訪れ、2階の天井に残っている津波のあとや、大きく倒れた通路などを見学しました。
学校では当時、女川町で教員をしていて大川小学校で当時6年生だった娘を亡くした佐藤敏郎さんが当時の状況を説明しました。
この中で、佐藤さんは小学校で避難行動が遅れたことにふれ、「災害が起きてから正しい判断をすることは難しい。避難の方法は平常時から考えなくてはいけない。避難訓練も予定調和でなくいろんな想定でやるべきだ」と訴えていました。
このあと、大川小学校で当時6年生だった娘を亡くした石巻市立青葉中学校の平塚真一郎校長が講演し、「子どもの命を守ることを第一に考える教員になってください」と伝えていました。
震災当時小学3年生で、ことしから石巻市の中学校で働く大河原町出身の教員は「守る立場になった実感が湧きました。地域を知ることはもちろん周りの人と日頃から連携して災害に備えたい」と話していました。