相続登記義務化で白石市が県司法書士会と協定 相談会など実施

所有者がわからないまま放置されている土地問題を解決するため、土地などを相続する際の登記が先月から義務化されたことを受け、白石市は、県の司法書士会と協定を結び、相談会などを実施していくことになりました。

先月1日から、土地や建物を相続する際の登記が法律で義務化され、正当な理由なく登記を怠った場合は10万円以下の過料が科されるようになりました。
これを受けて、白石市は先月25日、県司法書士会と協定を結びました。
協定では市民向けの相談会やセミナーなどを行い、相続する際の登記への理解を広めていくとしています。
司法書士会によりますと、県内の自治体と、こうした協定を結んだのは初めてだということです。
所有者不明の土地をめぐって、白石市では、公共工事を進める際の妨げになっているほか、雑草が生い茂るなどの苦情が多数寄せられていて、協定ではこうした土地の相続人の調査も連携して行っていくとしています。
白石市の山田裕一市長は「高齢化が進むなか、今後の空き家対策にもつながる協定だ」と話しています。
また、県司法書士会の森田みさ会長は「ほかの自治体とも連携を進め、相続登記の迅速化につなげていきたい」と話しています。

【相続登記の義務化とは】
相続登記の義務化で、▼土地や建物を相続したことを知った日から3年以内に登記することが義務づけられたほか、▼正当な理由がないのに怠った場合は10万円以下の過料が科されるようになりました。
これまでは、不動産を相続した際の登記が任意だったため、亡くなった人の名義のまま放置されるケースもあり、13年前の東日本大震災では復興事業の遅れにつながりました。
能登半島地震でも、倒壊した家屋などの公費での解体をめぐり、相続の際に名義変更をしていなかったことから、相続権を持つ全員から同意を取ることが難しいなどの理由で申請ができないケースが相次ぎました。
法務省によりますと、全国にある所有者がわからない土地は、2016年時点で九州の広さを上回ったということで、法務省では、今回の義務化で所有者不明の土地をめぐる問題の解決につなげたいとしています。