「じもとHD」234億円赤字見通し 9月公的資金返済困難に

仙台銀行を傘下に置く金融グループ「じもとホールディングス」は、ことし3月までの1年間の決算について、最終的な損益が234億円の赤字になる見通しだと発表しました。
これに伴って、ことし9月に予定していた公的資金200億円の返済が困難になったとして、返済時期の見直しなどについて今後、国との協議を始めることを明らかにしました。

じもとホールディングスの発表によりますと、ことし3月までの1年間の決算は最終的な損益が234億円の赤字になる見通しになったということです。
赤字額は過去最大で、その理由として、傘下で山形市に本店を置く「きらやか銀行」が、取引先の業績悪化で回収できない債権の増加に備えた費用を積み増したことなどをあげています。
これに伴って、2009年に投入された公的資金200億円のことし9月の返済は困難になったとして、返済時期の見直しなどについて今後、国との協議を始めることを明らかにしました。
一連の経営責任をとって、じもとホールディングスの川越浩司会長と鈴木隆社長は、国との協議にめどが立った段階で辞任するとしています。
鈴木社長は、仙台市内で開いた記者会見で「心配と迷惑をおかけし、深くおわび申し上げる。グループ一丸となって経営再建と信頼回復に取り組んでいく」と述べました。

【仙台銀行・11年ぶりの頭取交代発表】
一方、仙台銀行は鈴木隆頭取が代表権のない会長に就任し、後任の頭取に坂爪敏雄常務取締役が内定したと正式に発表しました。
坂爪氏は、仙台市で開いた記者会見で「半導体産業は地方創生に大きくつながると考えている。地銀として情報を集約してつなぐ役割を今後も発揮していきたい」と意気込みを語りました。
仙台銀行の頭取の交代は11年ぶりで、この人事は、6月の株主総会とその後の取締役会を経て正式に決定する見通しです。