電気自動車カーシェアリング始まる 脱炭素先行地域の仙台市

温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする取り組みを先行して進めるモデル地域「脱炭素先行地域」に選ばれた仙台市は、電気自動車のカーシェアリングサービスを25日から始めました。

仙台市は、去年11月、2030年度までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする取り組みを先行して進めるモデル地域「脱炭素先行地域」に国から選定されました。
これを受けて、市は、25日からEV=電気自動車のカーシェアリングサービスを始めることになり、仙台市若林区で記念の式典が開かれました。
始めに、仙台市脱炭素都市推進担当局長の松田智子さんが「今年度は計画を本格的にスタートさせる年だ。脱炭素型のモビリティを推進するとともに地域の回遊性の向上にもつなげていきたい」とあいさつしました。
また、今回の取り組みを担う企業の専務執行役員、齋藤章さんは「第一弾の取り組みに協力できてうれしく思う。継続的な取り組みにしたい」と述べました。
今回、導入された車は2台で、乗車するには専用のサイトやアプリからあらかじめ予約が必要です。
松田担当局長は「カーシェアリングを気軽に使っていただき、沿岸部の観光を楽しんでほしい。仙台は環境が強みの都市なので、全国のモデルとなるような取り組みにしていきたい」と話していました。

【脱炭素先行地域とは】
「脱炭素先行地域」とは、自治体や民間団体などが共同で、2030年度までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする取り組みを先行して進めるモデル地域で、環境省は2025年度までに少なくとも100か所選定するとしています。
仙台市は去年11月に選定され、県内ではこれまでに東松島市が選定されていて、仙台市が2例目です。
選定されると、50億円を上限として交付金が活用できます。
市の計画では、飲食店やオフィスが建ち並ぶ市中心部の定禅寺通でビルの照明のLED化や断熱材などの省エネ設備を導入するということです。
また、仙台市泉区の住宅地「泉パークタウン」では、住宅に太陽光パネルの設置を進めるほか、再生可能エネルギーの電力への切り替えも行うということです。
仙台市によりますと、市内の温室効果ガスの排出量は減少傾向にあるということですが、2021年度は745万トンで、前の年度よりも24万トン増えたということです。
コロナ禍で落ち着いていた経済活動の回復などが要因とみられています。
仙台市は脱炭素化の取り組みを進めることで、国が定める基準年の2013年度の排出量911万トンから2030年度までに55%以上削減し、412万トンを目指す計画です。