「熱中症特別警戒アラート」の運用始まる

健康に重大な被害が生じるおそれがある暑さが予測された場合に、新たに発表される「熱中症特別警戒アラート」の運用が24日から始まりました。

「熱中症特別警戒アラート」は、「熱中症警戒アラート」の一段上に位置づけられる情報です。
「熱中症警戒アラート」は、気温や湿度などから算出する「暑さ指数」が1か所でも33以上と予測された場合に発表されるのに対し、「熱中症特別警戒アラート」は、すべての観測地点で「暑さ指数」の予測値が35以上となった都道府県を対象に前日に発表されます。
「人の健康に重大な被害が生じるおそれがある過去に例のない広域的な危険な暑さ」が想定されていますが、これまでに特別警戒アラートの該当となる暑さとなった事例はありません。
特別警戒アラートが発表された場合、熱中症を予防する行動の徹底に加えて、学校の校長や経営者、イベントの主催者などは対策が徹底できない場合、運動やイベントの中止、それにリモートワークへの変更などの判断が求められることになります。
また、自治体は公共や民間のエアコンが効いた施設を「クーリングシェルター」としてあらかじめ指定し、特別警戒アラートが発表された場合に開放することが求められます。
名取市では、去年から公民館や郵便局などをクーリングシェルターに指定する試行的な取り組みを行っていますが、県内の多くの自治体は指定か所について検討を進めているということです。

【県教育委員会が改めて周知】
県教育委員会は、これから熱中症のリスクが高まる季節になることから、体育の授業や部活動中での児童や生徒の熱中症を防ぐ対策をまとめたガイドラインを守るよう、24日改めて各学校に周知しました。
ガイドラインでは「暑さ指数」を活動前と活動中に定期的に計測し、活動を続けるかどうかを適切に判断することや、運動中に体調が悪くなった場合は、児童・生徒みずから運動をやめると言えるよう教師が指示することなどを定めています。
去年7月、山形県米沢市の中学生が部活動を終えて帰宅途中に熱中症とみられる症状で病院に運ばれ、死亡したことを踏まえ、県教育委員会は「ガイドラインの内容を改めて周知徹底し、児童・生徒の熱中症を未然に防いでいきたい」としています。

【去年の暑さと搬送数】
記録的な暑さとなった去年の夏、県内では30度以上の真夏日が63日あり、このうち35度以上の猛暑日も7日ありました。
「熱中症警戒アラート」は、県内であわせて10回発表されています。
消防庁のまとめでは、熱中症や熱中症の疑いで搬送された人は去年県内で2165人にのぼり、統計で比較が可能な2015年以降、初めて2000人を超えました。
また、このうち4人が亡くなったということです。
搬送された人の年齢をみると、65歳以上の高齢者が半数以上の1100人あまりにのぼっています。