平均出生率 県内最高は女川町 都道府県別は2番目に低く

厚生労働省は、女性1人が一生に出産する子どもの数を示した出生率の5年間の平均を市区町村別も含めて発表し、県内で最も高かったのは女川町の1.54で、最も低かったのは仙台市青葉区で0.97でした。

女性1人が一生に出産する子どもの数を示した「合計特殊出生率」について、厚生労働省はおととしまでの5年間の平均値を調べ、今月19日に発表しました。
市町村別にみると、最も高かったのは女川町で1.54、次いで南三陸町で1.46、多賀城市で1.44、大和町で1.38、登米市で1.37、岩沼市と利府町で1.35などとなりました。
最も高かった女川町によりますと、子どもが体調不良になった際、親が仕事などで面倒を見ることが難しい場合に、町の施設に預けることができる制度を整えていることや、女川原発で働く若者が毎年、一定数転入していることなどが背景にあるとしていて、町の健康福祉課子育て支援係は「今後も子育てをしやすい町作りをしてきたい」と話しています。
一方、最も低かったのは、仙台市青葉区で0.97、次いで松島町で1.11、川崎町と白石市がともに1.13などとなりました。
また、宮城県全体での出生率は1.19で、前回の調査より0.16下回り、都道府県別では、東京都に次いで2番目に低くなりました。

【岩沼市 第2子以降無償化】
岩沼市は、今年度から第2子以降について、子どもの年齢や親の所得にかかわらず、認可保育所などの利用料を無償化するなど子育て支援に力を入れています。
少子化対策として現在、国は、3歳から5歳までは世帯の所得に関わらず、0歳から2歳までは住民税の非課税世帯に限って、幼稚園や認可保育所などの利用料を無償化しています。
岩沼市は、子育て世帯の経済的負担をさらに軽減させようと、今年度から第2子以降は0歳から2歳までについても、親の所得にかかわらず認可保育所などの無償化を始めました。
このほか、保護者の負担軽減のため、市内にあるすべての公立の保育所と、私立の一部の保育施設などで、3歳以上を対象に昼食向けに炊いたごはんを無償で提供しています。
小学1年生と、市内にある公立の保育所に通う4歳と2歳の合わせて3人の子どもを持つ椎葉みづきさんは「親としてはありがたいと感じています。第2子以降が無償化になったことで、その分をおむつを買う費用などに充てられるので、すごく助かっています。市がどんどん子育てに力を入れてくれているので、今後もますますよい方向に変わっていけばいいなと思います」と話しています。

【県“強い危機感”】
今回の調査結果について、県の子育て社会推進課は「強い危機感を持っている。非婚化や晩婚化、それに新型コロナの流行も影響したのではないか。今年度から不妊治療の費用を補助する事業を始めるなど対策を続けたい」としています。