鉱山の暮らしジオラマで再現 栗原

栗原市にあった鉱山の歴史や記憶を伝え残そうと、にぎわっていた昭和30年代の鉱山周辺の町並みを再現した巨大なジオラマが完成し、市内の観光施設で展示されています。

再現されているのは、昭和62年に閉山するまで大量の亜鉛や鉛を産出し、昭和30年代には1万人以上が暮らしていたとされる栗原市鶯沢の「旧細倉鉱山」周辺の町並みです。
当時、鉱山で働いていた人やその家族が暮らした長屋や学校、それに商店や共同浴場などが忠実に再現されています。
製作したのは父親が鉱山で働き、この地域で生まれ育った栗原市の藤嶋信さん(72)で、子どものころの記憶や航空写真などを参考におよそ8年かけて仕上げました。
なかでも「森下社宅」と呼ばれた長屋は藤嶋さん自身も暮らした思い出のある家で、大小あわせて50棟の建物が幅3.8メートル、奥行き3.3メートルの大きさで作られ、部屋の中の様子まで細かく再現されています。
藤嶋さんは「思いを込めたものができないかと模索して形にしました。かつてこうした場所があったことを記憶に残してもらえたらと思います」と話していました。
ジオラマは栗原市鶯沢にある観光施設、細倉マインパークの資料展示室に展示されています。
入館は無料です。