クマを「指定管理鳥獣」追加 宮城県が検討を進める

昨年度、クマによる被害が過去最悪だったことを受け、環境省は、新たにクマを「指定管理鳥獣」に指定し、県などが講じる対策に交付金を支給することになりました。
これを受けて宮城県は、有識者も交えてどのような対策を講じていくか検討を進めることにしています。

昨年度、全国でクマの被害を受けた人は過去最悪となっていて、環境省は16日、個体数が少なく絶滅のおそれのある四国の個体群を除いたクマを、指定管理鳥獣に指定しました。
これにより、県などがクマの対策や調査を行う際、国から交付金を受けられるようになります。
対象は、捕獲のほか、人の生活圏にある柿などのエサの除去、それに対策のマニュアル作りや人材育成などが検討されていて、環境省は、クマによる被害も見据えてことし秋にも支給を始めたいとしています。
宮城県では昨年度、3人がクマに襲われてけがをしたほか、フンなどによる確認も含めて、記録が残っている平成17年度以降で2番目に多い、少なくとも1357件の目撃情報がありました。
このため県は、交付金を活用して有効な対策を講じたいとしていて、有識者も交えて検討を進めることにしています。
県は、ことし4月から11月までのクマの出没について「平年並みの見込み」と予想していますが、春の行楽シーズンに山や森などに近づく機会も増えることから、鈴やラジオをつけるなどして、引き続き、十分な対策をとるよう注意を呼びかけています。