宮城県の去年の人口226万4000人 減少率が拡大

人口減少が進むなか、宮城県の去年の人口は226万4000人と、前の年と比べて0.68%減り、減少率が拡大しました。

総務省が発表した去年10月1日現在の人口推計によりますと、外国人を含めた日本の総人口は1億2435万2000人で、前の年よりも59万5000人、率にして0.48%減って2011年以降、13年連続の減少となりました。
宮城県の人口は226万4000人で、前の年よりも1万6000人、率にして0.68%減りました。
減少幅は、前の年より0.24ポイント拡大していて、全国で4番目に大きくなっています。
また、東北地方の減少率を見てみますと秋田県が1.75%と全国で最も高く、青森県、岩手県、山形県と続いていて、1%を下回ったのは宮城県のみとなっています。
こうした状況について村井知事は「少子高齢化による自然減少を少しでも抑えながら、企業誘致や地元企業の活性化などを通じて人口増加に努めていく。外国人も含めてしっかりと手を打っていきたい」と述べていて、県としては、結婚の後押しから日本で働きたい外国人の誘致まで幅広い対策を講じていくことにしています。

【県と仙台市の人口の推移は】
人口減少が進むなか、県と仙台市の推移がどうなってきたのか見てみます。
県の推計によりますと、人口は2003年にピークを迎え、最も多いときで237万1683人でした。
その後は、東日本大震災に伴う復興事業の増大などでわずかに増えた年もありましたが、おおむね減少傾向で、2016年以降は8年連続で減少しています。
去年までの10年間ではおよそ6万4600人、率にして2.85%減少しています。
一方で、県全体の人口の半分近くを占める、仙台市の推移を見てみます。
県の推計によると、去年10月1日現在の人口はおよそ109万8000人でした。
おととしと比べると0.13%減っていますが、全体としては増加傾向で、市は、4年後の2028年にピークを迎え、110万1000人ほどになると見通しています。
仙台市の人口傾向は周辺の自治体にも影響していて、隣接するベッドタウンの名取市は、県内の市町村で唯一、おととしから去年にかけて人口が増加しています。
そのほかの隣接する自治体でも、減少率は多賀城市で0.02%、富谷市で0.09%と比較的、小さくなっています。
県内を7つに分けた広域圏ごとでは、仙台市を含む仙台都市圏の減少率は0.24%と、唯一、1%を下回っていて、そのほかの地域との差が明確になっています。

【専門家“選ばれるまちを”】
今回の人口推計について、人口政策や少子高齢化対策に詳しい東北大学大学院経済学研究科の吉田浩教授は「地方から転入して東京だけ人口が多くなるのと同じ構造の現象が、宮城県内では仙台市と周辺部との間で起きている」と述べ、県全体として対策を講じる必要があると指摘しています。
そのうえで「人口を保つためには、仕事と子育てが両立できたり、外国人を受け入れてうまく調和していけるような文化が根付くことが重要で、『宮城県にずっと住み続けたい』と選ばれる社会環境を作ることが必要になってくる」と述べ、自治体の間で転入者を増やそうとする動きが活発化するなか、「選ばれるまちづくり」を進めていくことが重要だとしています。