世界遺産大シルクロード展 9日から東北歴史博物館で

東洋と西洋を結んだ交易路、シルクロードの各拠点で見つかった宝飾品などを集めた「世界遺産大シルクロード展」が、9日から多賀城市の東北歴史博物館で始まるのを前に8日、内覧会が開かれました。

シルクロードは、東洋と西洋を結ぶ古代からの重要な交流や通商のルートで、経済や文化、それに宗教などで東西の交流に大きく貢献しました。
そのシルクロードの各拠点で見つかった貴重な宝飾品などを一堂に集めた「世界遺産大シルクロード展」が、9日から多賀城市の「東北歴史博物館」で始まるのを前に、8日、内覧会が開かれました。
展示されるのは中国各地の博物館や研究所から出品された190点あまりで、日本の国宝にあたる中国の「国家一級文物」も間近で見ることができます。
このうち、虎の形をした取っ手が特徴的な「瑪瑙象嵌杯」と呼ばれる金の杯は、5世紀から7世紀ごろに西洋から中国に伝わったとされ、東西のつながりの歴史を感じることができます。
東北歴史博物館の学芸員の山田凛太郎さんは「古代からあった東西のつながりや文化を感じてもらいたい」と話していました。
「世界遺産大シルクロード展」は、4月9日から6月9日まで開かれます。

【大シルクロード展の見どころ】
展示会では、日本の国宝にあたる中国の「国家一級文物」44点が展示され、当時の中国文化の貴重な宝飾品を間近で楽しむことができます。
このうち、▽赤いめのうや虎の形をした取っ手が特徴的な「瑪瑙象嵌杯」と呼ばれる金の杯は、5世紀から7世紀ごろに西洋から中国に伝わったとされ、東西のつながりの歴史を感じることができます。
また、▽中国の唐の時代につくられた「六花形脚付杯」と呼ばれる金の杯は、周りに乗馬や狩りを楽しむ人たちの模様が装飾されていて、当時の華やかな時代が表されています。
そのほかにも、▽「唐花文錦鞋」と呼ばれる鮮やかな花柄の女性用の靴は、裾の長い服を引きずらないようにするため、つま先にかけるための反り返った部分があり、当時の女性の間で流行していたファッションの文化を知ることができます。
さらに、▽「樹下美人図」と呼ばれる絵画は、ふっくらとしたほおに切れ長の目が特徴的な女性が描かれています。
この作品は、奈良時代の聖武天皇ゆかりの宝物などをおさめた正倉院にも、この絵の女性に似た絵画が見つかったことから、日本に影響を与えた作品として知られています。