2019年に豪雨災害 大郷町に防災機能備えた施設整備へ

2019年の台風19号による豪雨災害で住宅地が浸水被害を受けた大郷町で防災機能を備えた施設が整備されることになり、3日、安全祈願祭が行われました。

安全祈願祭には町の関係者など50人あまりが出席し、神事が行われたあと、大郷町の田中学町長が「地元の人にはコミュニティーセンターをいかして未来の地域づくりに関わって欲しい」とあいさつしました。
大郷町は5年前の台風19号の豪雨災害で吉田川の堤防が決壊し、中粕川地区を中心に住宅およそ200棟が浸水被害を受けました。
被災した場所は、1メートルほどかさ上げされて住宅地として整備されたほか、防災機能を備えたコミュニティーセンターを整備することにしました。
施設は2階建てで、延べ床面積がおよそ680平方メートル、多目的ホールや会議室、シャワールームなどを備え、災害時には住民の避難場所としても利用できます。
完成するのは来年3月だということで、中粕川地区の高橋俊昭行政区長は「復興のシンボルとして待ち望んでいた施設なのでとても嬉しく思います。住民のコミュニティーの場として利用するほか、避難訓練も行っていきたい」と話していました。

【大郷町の復旧復興状況】
2019年10月の台風19号では、丸森町や大崎市、石巻市など県内の広い範囲で記録的な大雨となり、各地で浸水被害が起きました。
このうち大郷町は、町内を流れる吉田川の堤防が決壊して中粕川地区を中心に住宅およそ200棟が水につかり、最大で37世帯120人が応急仮設住宅などでの避難生活を余儀なくされました。
浸水した地域はその後、1メートルほどかさ上げされて自宅を再建した人が暮らしているほか、決壊した堤防も川幅を広げて新たな堤防を作る工事が行われ、来月末には完成する予定です。
地区には今回、整備される防災機能を備えたコミュニティーセンターのほか、周辺には避難道路なども整備される予定で、災害に強いまちづくりが進められています。