地価公示 宮城の全体平均12年連続で上昇

ことし1月時点の宮城県の土地の価格は、住宅地と商業地などを合わせた全体の平均が12年連続で上昇し、このうち住宅地の上昇率は全国で3番目に高くなっています。

国土交通省は毎年1月1日時点の全国の主な地点の土地の価格を「地価公示」として公表していて、宮城県内ではことし、575地点が対象となりました。
【全体】
宮城県の土地の価格は住宅地と商業地などを合わせた全体の平均が去年に比べて4.7パーセント値上がりし、12年連続での上昇です。
【商業地】
このうち商業地は、県全体の平均で去年より4.6%値上がりし、11年連続での上昇です。
このうち最も価格が高かったのは、42年連続で「仙台市青葉区中央1丁目」で、1平方メートルあたり458万円でした。
また、上昇率は全国で9番目で新型コロナが5類に移行し、個人消費が上向いているほか、仙台市の中心部での飲食店や小売り店の新規出店などが背景にあるとみられています。
最も上昇率が高かったのは、去年と同じくJR仙台駅東口近くにある「仙台市宮城野区榴岡4丁目」の18.8%で、家電量販店やオフィスなどが入る複合型の商業ビルのオープンが背景にあるみられています。
また、上昇率上位10地点すべてが仙台市内で、上位の3か所はすべてJR仙台駅東口でした。
【住宅地】
住宅地では県全体の平均で去年より4.7%値上がりし、12年連続の上昇で、上昇率は全国3位でした。
最も価格が高かったのは、去年と同じく「仙台市宮城野区小田原弓ノ町」で、去年より12%値上がりし、1平方メートル当たり53万2000円でした。
マンションの需要が堅調な一方、供給が少なく値上がりしていることなどが背景にあるとみられています。
一方、最も上昇率が高かったのは「富谷市あけの平3丁目」の14.5%で、上昇率が高かった10地点のうち富谷市が3地点、大和町が2地点で、割安感などから住宅需要が高いことが背景にあるとみられます。
【二極化進む】
一方、仙台都市圏以外では商業地と住宅地ともに下落が続いています。
商業地の「大崎市岩出山二ノ構」は去年より6.1%値下がりし、下落率が県内で最も大きくなりました。
また、住宅地の下落率上位10地点のうち5つの地点が東日本大震災で甚大な被害を受けた沿岸部の気仙沼市と南三陸町で、復興需要が落ち着き、地域経済が冷え込んでいる状況が浮き彫りになったとみられます。

【不動産鑑定士「駅前周辺で高い上昇率」】
今回の調査にあたった不動産鑑定士の西山敦さんは、「仙台圏では開発が続いていて、地価の上昇は当面続くのではないか。住宅は特に仙台圏を中心に安定し、新型コロナの影響が住宅の場合はあまりなかった。商業地は駅前周辺を中心に上昇率が高い。ただやはり飲食店街で、コロナ明けの回復具合をみるとそこまで回復はしていないと判断される」と話していました。