【独自】地域の消防団 県内の団員減少率 全国を大きく上回る

地域の防災を支える消防団が、人口減少などを理由に全国で減少する中、13年前の東日本大震災の被災地では震災前と比べて県内の消防団員の減少率が20%あまりと、全国に比べて大きく上回っていたことがNHKの取材で分かりました。

消防団は、常勤の消防職員と異なり災害の時には、地域に密着して人命救助や避難の支援にあたり、火災が起きたときには自宅や職場から現場へ向かい初期消火にあたります。
しかし、人口減少や高齢化を理由に全国で消防団員の減少が続いていて、東日本大震災で被災した宮城県でも震災前に比べて大きく減少していることがNHKの取材で分かりました。
県によりますと、県内の消防団員の数は去年4月1日現在で1万7245人と、震災の前の平成22年の2万1681人に比べて率にして20.5%減少していました。
これは全国の消防団の減少率13.7%と比べてより深刻で、地域別では、石巻市が36.2%、塩釜市が31.3%、山元町で30.7%、気仙沼市で22.7%などと沿岸部で減少率が高くなっていました。
消防行政に詳しい関西大学の永田尚三教授は、震災で消防団員の確保に大きな影響が出ていると指摘した上で、「沿岸部では津波の被害で避難の長期化を余儀なくされ地域社会が破壊された側面もある。消防団の減少は人口減少時代である程度受け入れざるを得ない状況だが全国的に続くと災害や消防機能の弱体化につながる」と話しています。